鎖骨骨折で入院していた時、同じように足を骨折した大工さんと同室になった。これ幸いと、その大工さんに面白い話はないか聞いてみた。病院という所は退屈で、本を読むかテレビを観るかしかない。骨折で入院している人たちは、ほとんど内臓は大丈夫だから元気がいい。元気がいいだけに退屈でしょうがない。その大工さんも、退屈しのぎにこんな話をしてくれた。板橋区の高島平で家を建てた時の話たった。その大工さんはKさんといった。
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Kさんたちが高島平で家を建てていたら、地面に水が浮いてきたそうだ。地下から湧き出るように染み出してきたらしい。しかたがないので水を汲みながらの作業になった。ところが、いくら汲んでもどんどん水が出てくる。仕方がないので、Kさんたちは水を汲みながら家を建てたそうだ。Kさん曰く、「あそこは家を建てちゃいけない場所なんだ。おれは仕事だからやったけど、住めと言われても絶対に住みたくない。昔は沼地だったんだ、あそこは」そうなのだ。沼地だった場所に家を建てたのだ。その家は傾いてくる可能性がある。基礎が沈み、基礎にひび割れが起き、外壁にも亀裂が入り、扉や窓の開閉がスムーズにいかなくなってくる。床下は常にじめじめしているから根腐れを起こすだろう。